『灯籠』カープ女子がつづる、少女の願いが舞台に。

最善席に届いた、すてきなコラムとインタビューを本日、掲載。
初の舞台化を前に著者の、喜びと作品への想いにあふれた寄稿原稿を、ここに。

 

灯籠

最善席をごらんの皆様、初めまして! うえむらちかと申します。

私は普段、テレビやラジオなどでお仕事させて頂いているのですが、2010年に小説『ヤヌス』(講談社)で小説家デビューさせていただき、作家としても活動させていただいています。最近では、趣味のカープ応援にかこつけて『カープ女子 うえむらちか&広島東洋カープ2014年の軌跡』(KADOKAWA/アスキー・メディアワークス)という本も出させていただきました。野球が好きな方はぜひ読んで見てください。

さて、そんな私がなぜ「最善席」さんのサイトにこうして寄稿させていただいているのかと言うと、この度なんと私が書いた『灯籠』(ハヤカワ文庫JA)という小説が舞台化されることになったのです。

舞台化なんて夢の夢だと思っていましたし、こういう話は浮かんできても消えてしまうのがこの業界の常なので、実現するように動いてくださった制作陣の方々には本当に感謝しています。

この驚きと喜びを例えるなら! 黒田博樹さんが毎年カープに戻るかも戻るかもと、年末は黒田の季節がやってきたとさえ言われ続けていたのに、本当に21億を蹴って4億を選び戻ってきてくださったことくらい……夢が夢じゃなくなる瞬間っていうのは本当にあるものなんだなと、野球に詳しくない皆さまには申し訳ない例えでこの衝撃を表現してみました。(つまりは天地がひっくり返るくらい嬉しいです!)

 

小説『灯籠』は――

両親を交通事故でなくし、広島で孤独に育った少女・灯(ともり)。ある年の盆のころ、灯は自分の背丈よりも大きな盆灯籠を片手に、両親の墓へと向かっていた。その途中、彼女はこれまでに感じたことのない不思議な雰囲気をまとった青年・正造と出会う。いつしかその人柄に惹かれるようになっていく灯。それから毎年、盆の四日間だけ、ふたりは逢瀬を重ねていくが……

少女と青年のひと夏の邂逅、その意外な行方を描いた物語――になっています。

 

365日のうちのたった4日間だけしか会うことのできない二人の間にあったものとは? 青年の秘密とは?

そして今作は、灯と青年の二人を描いた一話目と、灯の側で彼女を見つめ続けた同級生である清水クンという男の子の姿を描いた二話目との二部構成で描きました。

舞台はその二つをどう纏めて創っていくのかなと思っていたのですが、脚本を読ませていただいたら、上演の季節が冬ということもあり、灯と青年の四日間ではなく、それ以外の日々に焦点をあて描いた、ひたすら夏を待ち続ける少女の物語に昇華されていました。

気の遠くなるような361日。私は抜け殻のように生きている。夏になればあなたに会える。こんなにも世界が美しく、煌めいていることを教えてくれたあなたを……。《灯》

演じるのは、灯役に飛鳥凛さん。

たとえ361日灯と一緒にいたとしても、俺は彼女の中にあるたったの4日間にさえ勝つことができないんだ。好きになってはいけないと分かっていたのに。《清水クン》

清水クン役に井之脇海くん。

そして、そんな二人の周りを飛び回る可愛らしい後輩・ショーコ役に福岡発のアイドルユニット・LinQの髙木悠未さん。

さらに今舞台のオリジナルキャラクターとして登場するのがカオル役の奥田彩香さん。奥田さんには物語を導く、朗読者役としても各所に出演していただきます。

瑞々しい役者たちの競演にぜひご期待ください。

 

灯籠

【カタオモイ.net】プロデュース公演『灯籠』

日程:2015年2月5日(木)~2月8日(日)

2月5日(木)19:00
2月6日(金)14:00★ /19:00
2月7日(土)14:00 /19:00
2月8日(日)13:00★ /17:00

私も★がついた2/6と2/8のお昼の公演にゲストとして出演させていただくことが決定しました。

劇場:池袋シアターKASSAI

チケットも絶賛発売中です。
チケット料金:前売4,000円/当日4,500円(全席指定・税込)
※未就学児の入場不可

*チケットの取扱*

詳しくは、舞台「灯籠」の公式ホームページ 
私のブログ「ちか道」 または、Twitter: @UemuraChika を御覧ください。

小説も初舞台化、さらに私自身もゲストとしてですが初舞台を踏ませていただくということで、緊張もしていますが皆様にお会いできることを楽しみに頑張りたいと思います。

ぜひ新たに命を吹き込まれた『灯籠』を観に劇場までお越しください。

 灯籠 (ハヤカワ文庫JA) 文庫 – 2012/6/8 670円

 

最後に、井之脇海くんスペシャルインタビューをお届けします。

灯籠

――清水クンはどんなキャラクター?

灯のことを好きなんだけど好きになってはいけない。これ以上進みたいんだけど進めなくて灯の恋を応援したいんだけど応援できなくてという、もどかしい中でずっと灯を見守り続けている、とても切なく片想いし続けている子です。

――どんな風に演じたいか?

お客さんが一番感情移入しやすい役だと思うので、お客さんと一緒に歩んでいけるように共感してもらえるように演じたいです。

――最善席をご覧の皆さまに向けて

きっと来てくださる方にもひとつは共感できるところがあると思うので、登場人物も少人数ですが、それぞれがそれぞれの色を持っている……それこそカラフルな盆灯籠のような役ばかりで、自分と共感できる役もいると思うので、ぜひ観に来てください。

舞台「灯籠」、とても素敵な作品にしたいと思います。

著: | カテゴリー:ゲスト寄稿
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