青春ディスカバリーフィルム〜なんだって青春編〜 高崎翔太・鈴木拡樹・両監督 初日挨拶レポ

青春ディスカバリーフィルム〜なんだって青春編〜

初日舞台挨拶、完全レポート! 2016年8月20日収録

 「青春」をテーマにショート・ムービーの新たな魅力を発見するプロジェクトの新シリーズの第二弾が登場。今回も、「なんだって青春」編と題された通り、新進気鋭の監督×俳優によって生まれた、4つの青春物語を一挙、上映!

 

その初日舞台挨拶に登場したのは、『思い出カプセル』主演の山田を演じた高崎翔太さん。『ボクの人間的欠陥』で、タケシ役を演じた鈴木拡樹さん。そして『思い出カプセル』 の中前勇児監督の三名。
司会進行を務めるのは本シリーズを手掛ける、トキメディアワークスのプロデューサー。上演後のトークだけあってネタバレOK……のはずが、なにやらあまりネタバレにならず、話はどんどんずれていき……? 短い時間ではありましたが、その軽妙かつ、愉快なトークをここに完全公開。
挨拶終了後、俳優おふたりからのコメントもいただきました。

 

saizenseki

saizenseki

saizenseki

saizenseki

saizenseki

 

──まずは自己紹介をお願いします。
鈴木:タケシ役を演じた、鈴木拡樹です。よろしくお願いします。
高崎:山田こうたろうを演じました、高崎翔太です。雨のなか、こんなにたくさんの方にお越しいただきうれしいです。ありがとうございます。
中前:僕は、高崎くんが出演した『思い出カプセル』を撮りました。今日はお越しいただき、ありがとうございます。どうぞよろしくお願いします。
──早速、おひとりずつ、お話を伺います。まず、鈴木さんに『ボクの人間的欠陥』』映画のなかで馬場良馬さんに、パスタ作りを教える場面がありましたが、普段、料理とかなさいますか?
高崎:すっごい、質問の文章をまじめに読みますね(笑)。
──いえ、あの、これ、みなさん、聞きたいかな? と思って。
鈴木:はい、答えます! 僕、簡単な料理はしますし、パスタはわりとよく作ります。ただ、「美味しい」パスタ、というと難しいかもしれません。
──得意なメニューはありますか?
鈴木:得意……というか、最近は作っていませんが、一時期、卵をふんわり焼くのにこだわっていた時期があります。これはもう、フライパンを選ぶところから始めて、角形のを買ってきて……。
高崎:あれ、ミルク入れるとふんわりするんですよね。
鈴木:あと、生クリームとかね!
──ふんわり卵焼き、すごく似合いそうですね。(話が大きくずれそうな気配を察して)では次の質問です!
鈴木:はい。こちらからは以上です!(場内笑)
──続けて高崎さんが演じた、山田はずっと1人の女性を思い続けて、その思いが暴走するといった役ですが、どのように役作りされましたか?
中前:いや、もう、役作りもなにも、そのままですから。
高崎:あっ、そうなんです(笑)。
──では、中前監督にお聞きします。『思い出カプセル』は実体験も混じっているという話ですが……。
中前:はい。実体験です。高校のときに好きだった彼女が親友と付き合っていた……というシンプルな。
高崎:思わず、部屋に侵入しちゃったり……?
中前:してない、してない(笑)。
高崎:よかったー。
中前:もちろん逮捕もされてません(笑)。でも、何を脚本で書こうかと思ったときに、実体験がいいな、と思ってそのまま書きました。鈴木拡樹くんの映画『ボクの人間的欠陥』の中田博之監督も、あれは実体験ですよ。
鈴木:え? そうなんですか?
中前:出会い系サイトにハマっていた時期があったとかで。今回、何を題材にするのか迷っていたので、その経験を書いたら? とアドバイスしました。
鈴木:……どおりで、質問したらレスポンスが速かったわけですね(笑)。
──中田監督ですが、今日、公開初日なので、もしかして……いらしてますか?
(なんと、ここで、客席で観ていた中田監督も急遽、登壇。舞台上の皆さんも拍手でお出迎え)
高崎:あー! いたー。
鈴木:あー……、よかった。悪口になるところだった(笑)。
中田:初めまして。中田です。あの、題材にしたのは、出会い系サイトにハマった、というところだけですよ。……ところで、僕、このまま舞台上にいて、大丈夫ですか?

 

saizenseki

 

──来ちゃったから、居ていいです(笑)。そろったところで、撮影秘話など。
鈴木:撮影現場の、馬場良馬くんの部屋なんですが、なんと監督のご実家なんですよ。
──実は、あの部屋は僕(プロデューサー)が飾りました。徹夜で飾っていたので、監督のお母様に、夜中の二時に「うるさいわよ!」って叱られました(笑)。
中田:そうでした(笑)。
鈴木:すごく凝った部屋になっていてびっくりしました。僕、音楽とかに疎いんですが、積まれていたCDのなかに本当に高いものがある、って聞いて、うかつに触れなくなっちゃって(笑)。
中田:あれ、全部、プロデューサーの私物なんですよね。
鈴木:え! そうなんですか?
──はい。ロケで部屋に入ったときに、鈴木さんが驚かれてましたけど(笑)。
鈴木:監督のご実家と聞いていて、伺ったら、あのお部屋が待っていたので、「ああ……監督って、こういう趣味の方なんだ……」って(笑)。
中田:ちがいます(笑)。あれは実家の空いている部屋を使って撮ったので、住んでいる部屋は別にあります。
高崎:部屋といえば、作中で僕と寺くん(寺山武志)が住んでいる部屋のセットの中に、以前、監督が撮ったドラマ『ROOKIES』で使用されていたメッセージ入りの野球ボールが置いてあって、感動しました。
中前:ほんのちょっと、写真がアップになるところで映ってますね。
高崎:(客席の反応の薄さに気付き)……あれ? なんか、この感動があまり伝わってないですね……僕はうれしかったんですが……。
──伝わるやつでお願いします(笑)。
高崎:はい! えーとね、冒頭の川辺りでタイムカプセルを掘り返しに行くシーンですが、撮影初日で、一発で後ろを電車が通り抜けたタイミングで撮り終わったんです。でも、監督が「あれ? おまえ、リュック、背負ってなくね?」「ええっ!」ってなって(笑)。
中前:なってたねー(遠い目)。
高崎:次に撮ったら、スコップ持つのを忘れて。それから電車待ちしているうちに、朝だったからどんどんランニングの人とか通勤の人が通り始めて……結局、すごい時間がかかってしまいました(笑)。
 その次に寺くんが入ってくる場面だったんですが、寺くんは初映画で、すごい緊張していて、なのに僕のシーンがすごく時間かかっちゃって、その間ずぅーっと緊張していたので、ひどい演技になっちゃった、ってものすごく凹んでました。
中前:カットかけて、OK出しても、ずっと、いいのかなあー、って言ってましたね。
高崎:でも、楽しい初日でした。

 

saizenseki

──両監督から、それぞれの俳優の感想をお願いします。
中前:僕は、以前に高崎くんとは仕事したことがあって、人となりも知っていたので、すぐに「こう行こう」というのは決まりました。でも、中田監督の現場に行ったら鈴木拡樹くんがいて、いいなあ、僕も鈴木くんのほうがよかったなー、って思いました(笑)。
高崎:ええーーー! あんなに撮影、楽しかったのに……。
中田:あ、でも、僕も中前監督の現場に行っていたんですが、高崎くん、最初に泣く演技から入って、すごくシリアスだったのに、ひょうきんなシーンもあって、幅広いなあ……と。
高崎:フォロー、ありがとうございます!
中田:鈴木くんは、僕、ホストのイメージで考えていたんですが、実際に会ってみたら、すごく優しい子で……。
鈴木:まさに今、ホスト役の舞台稽古をやっているので、そのイメージがあると言っていただけるのはうれしいですね。
──中田監督は鈴木さんの出演が決まってから、書店に行ったら鈴木さんが表紙の雑誌がたくさんあって、驚かれたそうですが。
中田:演劇コーナーに行ったら、4誌くらいの表紙を飾っていて、なんだろう、この子……って(会場拍手)。
鈴木:ありがとうございます。

saizenseki

 

──さて、ここで観客の皆様からも質問をいただきたいと思います。挙手、願えますか? マイクがないので大きな声でどうぞ。
鈴木:聞こえました。『思い出カプセル』にちなんで「タイムカプセルに何を入れるか?」ですね。
高崎:いい質問ですね。何、入れます?
鈴木:タイムカプセル、やったことないからなー。「10年後に開ける」でいいですか?
高崎:でも今からだと、もう大人だから、10年後って言っても驚きがなさそうだから……「中学時代に入れるとしたら?」でもいい?
──いただいた質問を変えちゃうんですか?
高崎:うん、変えます!(笑顔)
鈴木:中学生で10年後……将来のことを考えて、貯金のつもりでお小遣いとか。
高崎:堅実ですね!
──監督はいかがですか?
中前:僕は……中学時代なら『スラムダンク』好きだったから、全巻かな。
高崎:えっ、全31巻もあるのに!?
中前:ああー……多いか……。でも、未だに、撮影に入る前とか、『スラムダンク』読み返したりするから。
中田:僕は、中学当時から映画監督になるのが夢だったから、好きだった映画のDVDですね。『ジェラシックパーク』とか……。
──ありがとうございます。さて、ここでお時間が来てしまいましたので、名残惜しいですが、最後に一言コメントをお願いします。
高崎:すごい、無理やり締めた……(笑)。
鈴木:一足先に先行上映会もあり、また、こうして改めて初日を迎えることができたわけですが、この4作が集まって、丸ごと作品になっているので、通して観ていただくことで、ひとつでも、なにかを持って帰っていただけたらと思います。今日はありがとうございました。
高崎:本日はありがとうございました。立って観ていただいた方もおられたとのことで、うれしいです。このシリーズは続いていくとのことなので、みなさん、Twitterなどでの告知も、よろしくお願いします。
中前:僕はこういった企画に参加させていただくのが初めてだったので、参加できてよかったです。若い役者さんのパワーをもらいましたし、すべての作品を観ることで感じることが確かにあったので、少しでも広がって、多くの人に観てもらえたらうれしいです。
中田:僕は今回、初めて監督の機会をいただけて、初めて映画を撮ることができて、うれしかったです。沢山の人に観ていただけたらと、思います。
──ありがとうございました。

 

saizenseki

saizenseki

初日舞台挨拶後に控室で高崎翔太さん、鈴木拡樹さんから、コメントをいただきました。

 

──ご自身の映画をご覧になられていかがでしたか?
鈴木:自分で演じたものがこういうふうに作品になるのはなかなか感慨深かったです。共演が馬場良馬くんだったこともあって、年齢も近いですし、空き時間とかもいろいろな話ができておもしろかったです。馬場くんは映像の仕事もいろいろされているので演じるにあたり、こういう捉え方をするのか、とか学んだこともたくさんありました。
──変わっていく役で、これまであまり観たことのない役でした。
鈴木:そこが、どんなふうに観ていただけるか、楽しみでもあります。
高崎:僕は、富田翔さんとユニット「撃弾ハンサム」を組んでいるので、その仲間と一緒に撮影できたことがすごくうれしくて、メンバーの寺くんの初映画に関われたこともすごくうれしかったです。現場も楽しかったし、ドラマ『ROOKIES』も好きなので、中前監督に撮っていただけたことも光栄で、うれしいことがいっぱいでした。
──役作りが気になります。
鈴木:パソコンが得意で教える……という役がどうにも(笑)。僕自身はまったく使えない人間なので、現場でもわりと時間をかけて教えていただき、演じました。完成した作品を観て、今の時点で自分ができることはすべてやれた、と思えたのでよかったんですが、次に機会をいただけたらもっと深く作り込んで演じたいですね。
──高崎さんは、ストーカー気質が似ていると、先ほど初日挨拶で……。
高崎:あれは冗談です!(笑) 僕は女の子にずっと恋している役でしたが、同時に男同士の友情も大切に描きたいと監督が言っていて、そこも心がけて演じていて、そこもすごく楽しかったです。
──オムニバス映画の形で、いろいろな場所で上演されて観ることができる、というのは、私たち観客にとっても喜びです。それぞれにおもしろく、4本一挙上映なのもうれしいです。
鈴木:映画館で観ていただける、という醍醐味はありますね。ドラマともちがうし、みんなで一緒にスクリーンで、というのはうれしいですね。とくに今日、初日に皆さんが観てくださっている反応を、僕らも一緒に感じる機会に参加できたことは貴重なことでした。
高崎:今回、4本オムニバスなので、監督や出演者それぞれにファンの方がおられると思います。だから、ひとつの作品を観たくて足を運んでくださった方が、ほかの作品を観て、誰かが気になったりしてくれたらすごくいいな、と思います。
──4本目の『バス停の動かし方』のある場面に、『思い出カプセル』ご出演の富田翔さんが登場されていて、あれれ、関連してるのかな? と。
高崎:あれは、翔さんが「絶対、出なくちゃ!」って急遽、行ったそうなんです。
──すてきな先輩です。物語の円環が閉じた感じがして、あれこれ想像できて愉快です。そして読者の皆さんにひとこと、お願いします。
鈴木:僕は、第一弾の「青春ディスカバリーフィルム〜いつだって青春編〜」に続き、今回も続けて出させていただいていてうれしいです。
高崎:そうだ!『なんでも埋葬屋望月』で共演したんだ。
鈴木:そう! 今回は「なんだって青春編」と付いている通り、どんなことも青春だなあ、と思える話が詰まっています。どの作品が観てくださった方の心に刺さるかわかりませんが、近い想いを描いたものもあると思うので、それが大切な作品になってくれたらいいな、と願います。これからも続いていってほしいシリーズで、今回も、あなたの青春を探してみてください。
高崎:今日、お客さんがにこにこして観ている空気を感じて、すてきな初日を迎えられたなあ、と思っています。このまま上映は続くので、みなさんの力をお借りして、もっと広がっていけたらと思います。

──最後に、お互いに一言、お願いします。
鈴木:あー……わりと久しぶりだよね、会うの。
高崎:あっ、ホントだ。もしかしたら、前作以来……?
鈴木:お互いの出演作とか情報は知ってるけど……。
高崎:ねっ。いつも、おつかれさまです!
鈴木:いやいや、そちらこそ!
高崎:僕ら、初めて共演したのはいつだっけ……あっ、『abc★赤坂ボーイズキャバレー 〜心ごと脱げ!〜』(2010年)だ。
鈴木:お笑いコンビとして出てたんだよね。
高崎:そうそう(笑)。
鈴木:だから、さっき初日挨拶の撮影でガッツポーズしたショットがあったのが密かに懐かしくて、さっきもふたりで「なんか、これ、やってたね」って話してました。
高崎:ね。こうして、青春ディスカバリーフィルムに拡樹くんと最初から関われてることがすごくうれしいので、今後ともよろしくお願いします。
鈴木:はい。今度は誰と共演できるのかな……富田翔さんかな。
高崎:あっ、それ、すっごく観たいです。
鈴木:ぜひ、よろしくお願いします。

最後にふたり、懐かしのガッツポーズと肩組んでの笑顔のお写真をお届け!

 

saizenseki

saizenseki

 

撮影・文/おーちようこ

saizenseki

ボクの人間的欠陥/saizenseki

青春ディスカバリーフィルム https://sdf.themedia.jp/

8月20日(土)から9月2日(金)までシネマート心斎橋、9月9日(金)までシネマート新宿にて、〜なんだって青春編〜4本一挙公開決定!

『思い出カプセル』
山田、りょうた、あきら、まどかの4人は同じ高校の親友。卒業をむかえ、バラバラになってしまうのを惜しみ河原に集まった。そこで、あきらはまどかと結婚する事を発表する。そしてまどかの発案でタイムカプセルにそれぞれの思いを埋める事になり…。

監督:中前勇児
出演:高崎翔太/寺山武志/富田翔 今野杏南(2016年/日本/27分)

『警備員の一日』
東京で警備員をしている陽一とアキラ。ある日、実家に帰る事になったから、今まで稼いだお金を陽一にあげると言い出すアキラ。陽一はそんな大金受け取れないと断り、代わりにこのお金でアキラが東京でやり残したことをやろうと提案する。

監督:小泉剛
出演:神永圭佑/黒羽麻璃央/小笠原健 (2016年/日本/29分)

『ボクの人間的欠陥』
人とのコミュニケーションが苦手で会社でも浮いた存在のコウは彼女いない歴=年齢。そんなコウが彼女を作る方法として選んだ手段はなんと出会い系サイト!返事をくれた女性・ミキとトントン拍子に出会えることになり、浮かれるコウだったが…。

監督:中田博之
出演:馬場良馬/鈴木拡樹 寺島咲(2016年/日本/29分)

『バス停の動かし方』
漁港近くのバス停で30分以上バスを待っている大学生の桐野。同じくバスを待っている男・宇野は誰かに電話をかけている様子。そこへ桐野の高校の同級生だった吹田がやってきて…。抜けるような青空の下、三人に訪れる運命とは?

監督:伊藤陽佑
出演:椎名鯛造/杉江大志/輝馬 栞菜(2016年/日本/14分)

配給:トキメディアワークス

 

Tweet about this on TwitterShare on FacebookShare on Google+

PAGE TOP